[2003.04.08]
  終わりのはじまりのはじまり


 ▼巨大ネットワークが世界を滅ぼす(@IT)
  http://www.atmarkit.co.jp/news/200304/03/bots.html


 多数のコンピュータに膨大な処理を行わせることには素晴らしい可能性があるが,使い方によっては大規模なDDos攻撃も行える。ネット上の接続ポイントを巨大な情報の津波に襲わせれば,下流プロバイダやエンドユーサーは突然通信の遮断という悲惨な目に遭う。実際に起こる状況はより悪くなる可能性もあり,ユーザーの意識の大転換,必要なソフトウェアの整備が必要だ。

 「カチカチ,と天井がかすかに震えた。この場所にこうして座り込んで何日が経ったのだろう。いや,もしかしたら数分しか経っていないのかもしれない。窓から明かりが差すこともなくなったこの最後の地で,僕は彼女を胸に抱いたまま,静かに攻撃がすむのを待っているしかなかった。僕が考えを巡らしていることに気付いたのか,彼女は顔をあげ,困ったときのくせのまばたきをしながら僕の顔を見上げていた。

 僕は必死に笑顔を作って安心させてやりたかったけど,どうやったら笑えるのかをもう忘れていた。そのまま彼女の目をみているしかなかった。2人の顔に表情はなかったけど,安心させようとする笑顔が交わされたような気がした。また,天井がカチカチと振動した。もしかしたら,僕らはもう何年もここにこうしてうずくまっているんぢゃないかと思うほど,身体に力が入らなかった。破滅的な空爆のなかで,唯一守れたのは,彼女だけだった。他には,なにも残っていない。きっと,もうなにもない。

 最後のときが,こんなに簡単にくるものだとは,思いもしなかった。もう誰も残っていない地上で,なんで天井が震えているんだろう? 僕らは,死んだのか? ふと,彼女の顔をみていたら,ずっと昔,彼女が口にした言葉を思い出していた。『終わりのはじまり,って言葉が好きだったんだ。どんな終わりが来たって,そのはじまりにいるってことは幸せなこと。終わらないお話は悲劇だし,終わってしまったお話も寂しい。だから,終わりのはじまりが,いちばんいいっしょ』。…まだ終わってない,2人を,頭のなかに思い浮かべて,僕は目を閉じて…。『まだ,終わってないんだ』。


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